ぴーすけとジャニ。

妄想?…いやいや想像力が豊かなんです。

TRIP of NEVERLAND③

列車に揺られる旅にも慣れてきた。

「さあ、降りて。着きましたよ。」

とmasudaが声をかけてきた。そこは現代のネオン街のようにきらびやかな場所だった。「ここはWestゲート。主なエレメントは音だよ。ダンスも上手だったし、音好きでしょ?」

ここの案内担当はmasudaのようだ。楽しそうに鼻歌を歌うmasudaを見ているだけで癒される。

「目的地はここ。」

と言って案内された場所は劇場だった。看板には『Silent Love』と書かれている。中に入ると舞台には赤いカーテンが降りていて、たくさんの椅子が並んでいた。圧倒された。

「今日は貸し切りだよ。」

と言われ、すぐに照明が消えた。幕が開くと同時に、舞台に光が集中した。劇の内容は『許されない恋』だった。夫がいる女を好きになる男、好きな子に好きな人がいることが分かってしまった少年。みんな様々な恋に苦しんでいた。物語はそこで終わり。スッキリしない終わり方だった。

「どうでした?」

masudaが聞いてきた。

「どうって…。すっきりしない感じ」

「ですよね。Northゲートでは光を見てきたと思いますが、光が生まれるとき、影も必ず生まれるのです。その影をこの劇では表現しているのです。それは恋愛だけではありません。夢だって同じです。」

光と影は切れない関係。逃げられない。私はいつの間にか暗い気持ちになって、考え込んでいた。私がよっぽど暗い顔をしていたのだろう。masudaが声をかけてきた。

「大丈夫ですか?影はだれでも嫌なものです。それを少しでも薄くする方法知っていますか?ついてきて。」

と着いた先は公園だった。中心にある円形の小さな噴水の前に行くとmasudaは指を鳴らした。その瞬間、明るい音楽が流れてきた。

「闇を薄くするためにはね、もっと明るい光で照らせばいいんだよ。光はなんだったけ?」

「光は……希望。」

「正解!」

masudaは私の手を取り、あの舞踏会のときのように踊り始めた。

踊ることは好きだ。気持ちが晴れていく気がした。

「希望が強くならないときはどうしたらいいの?」

私はmasudaに尋ねた。

「もうわかっているだろ?……楽しむんだよ。」

「今このときを楽しむ…?」

「そう!覚えててくれたんだね。楽しまないと、うまくいくこともいかなくなる。頑張るんじゃない楽しむんだ!」

それからしばらくの間、音楽が消えるまで私たちは踊り続けた。masudaが手を叩くたびキラキラと星が舞う。足をならせばシャンっと愉快な音がなる。私たちの周りは本当に神秘的な光景だった。誰にも知られない秘密の空間だった。私は楽しまずにはいられなかった。踊ることがこんなに楽しいことだと久しぶりに気がついた。

「いやー楽しかったね。さ、列車に戻ろうか。最後のゲートに向かおう。」

 

列車に乗るとさっきの疲れからか、少し寝てしまった。気が付く列車は止まっており、tegoshiが外で待っていた。

「あ、起きた?あまりにも気持ちよさそうに寝てたから起こせなくて。」

と照れ臭そうに笑った。

「さあ、最後のゲートSouthゲートに着いたよ。」

外に出ると、レンガ調の建物が並ぶ街だった。

「ここの主なエレメントは炎。最後のゲート、Southゲート。さあ、行こう。」

Tegoshiについていって着いた場所はNEVERLANDにたどり着くきっかけとなったあの金属音が鳴る場所…工場だった。

「ここでは僕たちが鍵をつくっているんだ。君にも届いたでしょ?」

私が扉の前で拾ったあの鍵だ。工場の中では、自転車や時計やタイプライターで大きな機械を動かしたり、大砲で鍵を飛ばして届けるというみんな各自の仕事を、心を込めて行っているらしい。

「NEVERLAND楽しかった?」

「刺激的だった。久しぶりだよ、こんな気持ちになったのは。」

うまく表現できないけれど、なんだか心が躍るような…そうダンスに出会ったときと同じような感覚だった。

「じゃあ…俺のとっておきの場所に連れて行ってあげる。これはkoyamaには内緒ね。怒られちゃうから。」

と言って連れてこられたのは工場の奥にある炎の上がる部屋だった。

「ここの炎は特別なんだ。この炎は絶対に消えないんだ。俺、この炎を見るとやってやるぞって心が燃えるんだよ。」

炎は赤を通り越して黒く燃え上がっていた。激しく燃え上がる黒い炎。近寄りがたい。でもどこか懐かしいような気持ちがあった。

「こらーーーー!!!tegoshi!!!」

koyamaが大声を出しながら部屋に入ってきた。後ろにはあきれた顔でmasudaとkatoが立っていた。

「あーごめん、ごめん!」

tegoshiは困った顔で笑いながら謝った。

「ごめんね。ここは危ないから、いこう。」

kayamaに促されて外にでた。外はすっかり夜になっていた。そして4人と一緒に列車に乗り、列車は空を飛んだ。